五十肩は放っておくと危険!再発・後遺症で腕が上がらなくなる前に知るべき全知識

「腕が上がらない」「痛みが続く」五十肩は、放置すると危険です。実は、痛みの慢性化や可動域制限の悪化だけでなく、腕が上がらなくなる「凍結肩」への進行、さらには後遺症や再発のリスクを高める可能性があります。この記事では、五十肩を放置することの具体的な危険性から、腕が上がらなくなるメカニズム、残る可能性のある後遺症、そして再発を防ぐための予防策まで、あなたが知るべき全知識を網羅的に解説します。早期に適切な知識を得て、症状の悪化や後遺症を防ぎましょう。

1. 五十肩を放っておくと危険な理由

「五十肩は放っておけば自然に治る」という話を聞いたことがあるかもしれません。しかし、それは大きな誤解であり、非常に危険な考え方です。五十肩を適切な対処なく放置することは、単に痛みが長引くだけでなく、将来的に深刻な後遺症を残し、日常生活に多大な支障をきたす可能性を秘めています。

ここでは、なぜ五十肩を放置することが危険なのか、その主な理由を詳しく解説します。

1.1 症状の悪化と「腕が上がらない」状態への進行

五十肩の初期段階では、肩の痛みや動かしにくさを感じる程度かもしれませんが、これを放置すると肩関節周囲の炎症が慢性化し、組織が硬く変化していきます。この状態が進行すると、肩の可動域が著しく制限され、やがて「腕が上がらなくなる」という深刻な状態に陥ることがあります。これは、一般的に「凍結肩(フローズンショルダー)」と呼ばれる状態であり、五十肩の最も恐ろしい進行形態の一つです。

一度凍結肩にまで進行してしまうと、肩の動きを取り戻すのが非常に困難になり、回復までに長期間を要するだけでなく、場合によっては元の状態まで回復しないこともあります。

1.2 後遺症として残る可能性

五十肩の放置は、一時的な症状だけでなく、永続的な後遺症を残すリスクを高めます。最も一般的な後遺症は、肩関節の「拘縮(こうしゅく)」です。これは、関節包や周囲の軟部組織が硬く縮んでしまい、肩の動きが制限されたまま固定されてしまう状態を指します。

拘縮が残ると、日常生活における腕の動作(例えば、髪をとかす、背中に手を回す、高いところの物を取るなど)が常に困難になり、慢性的な痛みを伴うことも少なくありません。このような機能障害は、生活の質(QOL)を著しく低下させる原因となります。

1.3 日常生活と精神面への影響

肩の痛みや可動域制限は、私たちの日常生活に想像以上の影響を及ぼします。着替え、入浴、家事、仕事、趣味活動など、腕を使うあらゆる動作が困難になることで、日常生活の質が著しく低下します。例えば、痛くて夜眠れない、服を着るのが一苦労、料理ができない、といった具体的な問題が生じます。

このような身体的な不便は、精神的なストレスにもつながります。痛みが長期化し、できることが限られてくることで、イライラや不安感が増し、ひどい場合にはうつ状態に陥ることもあります。活動量の低下は、体力や筋力の衰えにも繋がり、悪循環を生み出す可能性があります。

1.4 再発のリスクと悪循環

一度五十肩を経験した方は、適切なケアやリハビリテーションを怠ると、再発のリスクが高まることが知られています。特に、痛みが引いたからといって自己判断で治療を中断したり、肩への負担が大きい生活習慣を続けたりすると、反対側の肩に五十肩を発症したり、同じ肩が再び痛んだりするケースが見られます。

再発を繰り返すことで、肩の状態は徐々に悪化し、より重度の拘縮や慢性的な痛みに悩まされる可能性が高まります。これは、五十肩が単なる一時的な痛みではなく、適切な管理が必要な慢性的な疾患であることを示しています。

2. 五十肩とは?症状と進行段階

2.1 五十肩の正式名称と定義

一般的に「五十肩」と呼ばれる肩の痛みや動きの制限は、医学的には「肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)」と診断されます。これは、肩関節を構成する骨や軟骨、腱、靭帯、関節包といった組織のいずれか、または複数に炎症が起こり、痛みや可動域の制限が生じる状態を指します。

特定の原因がはっきりしないことが多く、加齢に伴う肩関節周辺組織の変性や血行不良などが関係していると考えられています。その名の通り、50歳代を中心に発症することが多いため「五十肩」という通称が広く知られていますが、実際には40代や60代でも発症する可能性があります。

2.2 五十肩の症状と進行段階

五十肩の症状は、その進行度合いによって大きく3つの段階に分けられます。それぞれの段階で痛みの性質や可動域の制限の仕方が異なり、適切な対処法も変わってきます。

進行段階 主な症状 特徴
炎症期(急性期)
  • 肩から腕にかけての激しい痛み
  • 特に夜間や安静時の痛み(夜間痛、安静時痛)
  • 腕を動かそうとすると痛みが強まる
  • 痛みによる可動域の制限
発症から数週間~数ヶ月続く期間です。肩関節の炎症が最も強く、少し動かすだけでも激しい痛みを伴います。夜間に痛みが強くなり、寝返りが打てない、眠れないといった睡眠障害を引き起こすこともあります。この時期は無理な運動を避け、炎症を抑えることが重要です。
拘縮期(慢性期)
  • 激しい痛みは和らぐ
  • 肩関節の動きが悪くなる(可動域制限が顕著になる)
  • 腕を上げる、後ろに回すなどの動作が困難になる
  • 日常生活動作(着替え、洗髪など)に支障が出る
炎症期に続き、数ヶ月~1年程度続くことがあります。痛み自体は炎症期ほど激しくなくなりますが、肩関節を包む関節包などが硬くなり、肩の動きが著しく制限されるようになります。いわゆる「肩が固まる」状態です。この時期は、痛みに配慮しながら少しずつ関節の動きを改善していくリハビリテーションが重要になります。
回復期
  • 痛み、可動域制限が徐々に改善
  • 肩の動きがスムーズになる
  • 日常生活動作の困難さが軽減
拘縮期を経て、症状が徐々に改善していく期間です。数ヶ月~数年かかることもあります。痛みが減少し、肩の可動域も少しずつ回復していきます。しかし、適切なリハビリテーションを行わないと、完全に可動域が戻らなかったり、痛みが残ったりする可能性があります。回復期に入っても、油断せずに継続的なケアが求められます。

これらの段階はあくまで目安であり、個人差があります。また、それぞれの段階で痛みの感じ方や進行のスピードも異なります。特に炎症期に無理をしたり、適切な処置を行わなかったりすると、拘縮期への移行が早まり、回復が遅れることがあります。自分の症状がどの段階にあるのかを理解し、適切な対処を行うことが五十肩の改善には不可欠です。

3. 五十肩を放っておくとどうなる?進行する症状とリスク

五十肩は、放置すると症状が進行し、日常生活に深刻な影響を及ぼすだけでなく、後遺症として長期的な痛みに悩まされたり、腕が上がらなくなったりするリスクがあります。初期段階の不快感を軽視せず、症状の進行がもたらす具体的なリスクを理解することが重要です。

3.1 痛みの慢性化と可動域制限の悪化

五十肩の痛みは、発症初期には特定の動作時のみに感じる鈍い痛みであることが多いですが、放置すると徐々に痛みが強くなり、慢性的な痛みに移行する可能性があります。特に夜間痛が悪化し、寝返りが打てない、特定の体勢で眠れないなど、睡眠の質が著しく低下することがあります。

痛みの慢性化と並行して、肩関節の可動域制限も進行します。初期には「腕を上げにくい」「後ろに回しにくい」といった程度の不便さですが、放置することで肩関節周囲の組織(関節包、腱など)に炎症が広がり、線維化や癒着が起こりやすくなります。これにより、肩の動きがさらに制限され、最終的には「凍結肩」と呼ばれる状態に進行し、自力で腕を上げることが非常に困難になることがあります。

痛みの進行と可動域制限の悪化は、以下の表のように段階的に現れることがあります。

段階 痛みの特徴 可動域制限の特徴
炎症期(急性期) 鋭い痛み、特に夜間痛が強い。安静時にも痛みを感じることがある。 痛みを伴う可動域制限。特定の方向への動きが困難。
拘縮期(慢性期) 痛みはやや和らぐが、鈍い痛みが持続。肩の動き始めに痛みが強い。 痛みが減っても可動域制限が残る。肩の動きが硬く、腕が上がりにくい。
回復期 痛みが徐々に消失。 可動域が徐々に改善するが、完全に元に戻らない場合もある。

3.2 日常生活への影響

五十肩の症状が進行すると、日常生活における様々な動作に支障をきたすようになります。些細な動作が困難になることで、精神的な負担も増大します。

  • 着替え:服を脱ぎ着する際、特に腕を後ろに回す動作や頭を通す動作が困難になります。
  • 洗髪・入浴:髪を洗う、体を拭く、背中を洗うといった動作が難しくなります。
  • 家事:掃除機をかける、洗濯物を干す、棚の物を取るなど、腕を上げたり回したりする動作を伴う家事が困難になります。
  • 仕事:パソコン作業での腕の位置、重い物を持つ、特定の姿勢を維持するといった業務に支障が出ることがあります。特に利き腕に症状が出た場合、業務効率が著しく低下する可能性があります。
  • 趣味・スポーツ:ゴルフ、テニス、水泳など、腕を大きく使うスポーツはできなくなります。日常生活の質(QOL)が低下し、活動範囲が狭まることで、社会生活にも影響が出ることがあります。

3.3 精神的ストレスの増大

長期にわたる痛みと日常生活の不便さは、精神的なストレスを著しく増大させます。夜間痛による不眠は疲労を蓄積させ、日中の集中力低下やイライラを引き起こします。

  • 不眠と疲労:夜間痛により十分な睡眠が取れず、慢性的な疲労感に悩まされます。
  • QOL(生活の質)の低下:趣味や外出が制限され、活動量が減少することで、生活の満足度が低下します。
  • 抑うつ傾向:痛みが改善しないことへの不安、日常生活の制限による無力感から、気分の落ち込みや抑うつ状態に陥ることがあります。
  • 周囲への遠慮:家族や職場の人に頼ることが増え、迷惑をかけているのではないかという罪悪感や遠慮を感じることがあります。
  • 将来への不安:「このまま腕が上がらなくなるのではないか」「いつまで痛みが続くのか」といった漠然とした不安を抱え、精神的に不安定になることがあります。

このように、五十肩を放置することは、単なる身体的な痛みだけでなく、生活の質や精神状態にまで広範な悪影響を及ぼす可能性があるため、早期の対処が極めて重要です。

4. 五十肩で「腕が上がらなくなる」のはなぜ?凍結肩への進行

五十肩の症状が進行すると、肩の痛みだけでなく、腕を上げたり回したりといった動作が極端に制限される「凍結肩」と呼ばれる状態に陥ることがあります。この状態は、五十肩の最も重篤な進行形の一つであり、「腕が上がらなくなる」という深刻な機能障害を引き起こします。

4.1 凍結肩とは?五十肩との違い

「五十肩」は、正式には「肩関節周囲炎」といい、肩関節の周囲に炎症が起こることで痛みや動きの制限が生じる状態の総称です。これに対し、「凍結肩」は、五十肩が進行した結果、肩関節を包む「関節包」という組織が炎症によって厚くなり、さらに癒着を起こして固まってしまう状態を指します。医学的には「癒着性関節包炎」とも呼ばれます。

五十肩の初期段階では、痛みはあってもまだある程度の可動域が保たれていることが多いですが、凍結肩まで進行すると、痛みは軽減される一方で、肩の動きが著しく制限され、文字通り「凍りついた」ように動かなくなります。

特徴 五十肩(肩関節周囲炎) 凍結肩(癒着性関節包炎)
定義 肩関節周囲の炎症による痛みと可動域制限の総称 五十肩が進行し、関節包が癒着して可動域が著しく制限された状態
主な症状 痛み(特に夜間痛)、ある程度の可動域制限 著しい可動域制限、痛みは軽減傾向だが残存する場合も
進行段階 急性期(炎症期)、慢性期(拘縮期) 慢性期(拘縮期)の重度な状態
回復期間 数ヶ月~1年程度 1年~数年、あるいはそれ以上かかる場合も

4.2 腕が上がらなくなるメカニズム

凍結肩によって腕が上がらなくなる主なメカニズムは、以下の要素が複合的に絡み合って生じます。

  • 関節包の肥厚と癒着: 肩関節は、上腕骨の頭と肩甲骨のくぼみ(関節窩)で構成されており、これらを包む袋状の組織が「関節包」です。五十肩の炎症が慢性化すると、この関節包が炎症によって厚くなり(肥厚)、さらに周囲の組織とくっついてしまう(癒着)ことで、関節の動きが物理的に制限されます。特に、関節包の下部(腋窩陥凹部)が収縮・癒着すると、腕を上げる動作が大きく制限されます。
  • 滑液の減少と粘稠度の増加: 関節内には、関節の動きを滑らかにする「滑液」が存在します。炎症が続くと、この滑液の量が減少したり、その粘稠度(ねばりけ)が増したりすることがあり、これも関節の滑らかな動きを妨げる要因となります。
  • 筋肉の防御性収縮と萎縮: 痛みがあるため、無意識のうちに肩の筋肉を動かさないようにしてしまいます。この「動かさない」状態が続くと、筋肉は防御的に収縮し、さらに時間が経つと使われないことで萎縮(やせ細る)してしまいます。筋肉が硬くなったり弱くなったりすることで、関節の動きはますます制限され、「痛みがあるから動かさない」→「動かさないからさらに固まる」という悪循環に陥ります。
  • 肩甲骨の動きの制限: 腕を上げる動作は、肩関節(肩甲上腕関節)だけでなく、肩甲骨が肋骨の上を滑るように動く「肩甲胸郭関節」の動きも重要です。五十肩が進行すると、肩甲骨周囲の筋肉も硬くなり、肩甲骨の動きも制限されるため、腕を高く上げることが一層困難になります。

4.3 日常生活での具体的な不便

腕が上がらなくなることで、日常生活には以下のような深刻な不便が生じます。

  • 着替え: 背中に手を回す動作(ブラジャーのホックを留める、シャツを脱ぎ着する)や、頭上から服を着る動作が非常に困難になります。
  • 入浴・洗髪: 髪を洗うために腕を上げる、背中を洗うといった動作ができなくなります。
  • 家事: 高い場所の物を取る、窓を拭く、掃除機をかける、洗濯物を干すといった腕を上げる、回す動作が必要な家事が困難になります。
  • 仕事: パソコン作業で腕を伸ばす、物を持ち上げる、ホワイトボードに書くなど、業務内容によっては大きな支障が出ます。
  • 睡眠: 痛む側を下にして寝られないだけでなく、寝返りを打つ際にも痛みが生じ、睡眠の質が著しく低下します。
  • 車の運転: ハンドルを回す、シートベルトを締める、後方を確認するために首を回す際に肩に負担がかかり、運転が困難になることがあります。
  • 趣味・スポーツ: ゴルフ、テニス、水泳など、腕を使うスポーツや趣味を諦めざるを得なくなることがあります。

これらの不便は、単に身体的な問題だけでなく、精神的なストレスや生活の質の低下にもつながり、社会生活や精神状態にも大きな影響を及ぼします。

5. 五十肩の放置で残る可能性のある後遺症

五十肩の症状は、適切な対処をせずに放置すると、一時的な痛みや可動域制限に留まらず、長期にわたる深刻な後遺症を残す可能性があります。一度症状が固定化してしまうと、元の状態に戻すのが非常に困難になるケースも少なくありません。ここでは、放置によって引き起こされる具体的な後遺症について詳しく解説します。

5.1 関節の拘縮と可動域制限

五十肩を放置する最も深刻な後遺症の一つが、肩関節の「拘縮(こうしゅく)」です。拘縮とは、関節包や周囲の靭帯、筋肉などが炎症により線維化し、硬く縮んでしまう状態を指します。これにより、肩を動かせる範囲である「可動域」が著しく制限され、腕が上がらなくなったり、後ろに回せなくなったりします。

この拘縮が進行すると、日常生活におけるあらゆる動作に支障をきたします。例えば、髪を洗う、服を着替える(特に上着の袖を通す動作)、棚の高い場所にある物を取る、車のシートベルトを締める、就寝時に寝返りを打つといった、これまで当たり前に行っていた動作が困難になります。一度硬くなってしまった組織は、自然に元に戻ることは稀で、専門的なリハビリテーションや治療を長期間続ける必要が生じます。

5.2 慢性的な痛みと機能障害

急性期の激しい痛みが治まった後も、五十肩を放置した場合は「慢性的な痛み」が残る可能性があります。これは、肩関節周囲の組織の炎症が完全に治まらなかったり、不適切な姿勢や動作が習慣化したりすることで引き起こされます。安静時にも鈍い痛みが続いたり、夜間痛が再発したりすることもあります。

痛みが慢性化すると、肩をかばう動作が定着し、肩関節の「機能障害」へとつながります。具体的には、肩関節周囲の筋力低下や、筋肉同士の協調性の低下が見られます。これにより、重い物を持つ、腕を繰り返し使うといった動作が困難になるだけでなく、肩のバランスが崩れ、首や背中、さらには反対側の肩にも負担がかかり、新たな痛みや凝りを引き起こす原因となることもあります。

5.3 五十肩が原因で起こる二次的な症状

五十肩の放置は、肩関節そのものの問題に留まらず、全身に様々な二次的な症状を引き起こす可能性があります。これらは、痛みをかばう動作や、活動量の低下、精神的な負担など、多岐にわたる影響の結果として現れます。

5.3.1 姿勢の悪化と身体の歪み

肩の痛みを避けるために、無意識のうちに肩をすぼめたり、前かがみになったりする姿勢が習慣化します。このような「姿勢の悪化」は、猫背やストレートネックを引き起こし、首や背骨、骨盤の「身体の歪み」へとつながります。結果として、肩こり、首の痛み、腰痛、頭痛といった、五十肩とは直接関係ないと思われがちな症状を併発するリスクが高まります。

5.3.2 筋力低下と筋萎縮

肩の痛みが続くことで、腕を動かす機会が減り、肩関節周囲の筋肉が使われなくなります。これにより、三角筋や回旋筋腱板などの「筋力低下」が進み、ひどい場合には「筋萎縮(きんいしゅく)」、つまり筋肉が細く痩せてしまう状態になることもあります。筋力低下は、日常生活動作のさらなる困難を招き、回復をより一層困難にします。

5.3.3 他の関節への影響

痛む肩をかばうことで、無意識のうちに反対側の腕や肩、あるいは首や腰に過度な負担がかかります。例えば、利き腕の五十肩の場合、反対側の腕を酷使することで、腱鞘炎やテニス肘、ゴルフ肘などの症状を引き起こすことがあります。また、上半身全体のバランスが崩れることで、膝や足首といった下半身の関節にも影響が及ぶ可能性もゼロではありません。

これらの後遺症は、五十肩が自然に治るのを待つだけでは改善が難しく、専門的な治療やリハビリテーションが不可欠となります。放置すればするほど、症状は複雑化し、回復までの時間も長くかかってしまうため、早期の対処が極めて重要です。

後遺症の種類 具体的な状態 日常生活への影響
関節の拘縮 肩関節の動きが硬く、可動域が著しく制限される 腕が上がらない、後ろに回せない、服の着脱困難、洗髪困難
慢性的な痛み 鈍い痛みが継続する、夜間痛が再発する 睡眠の質の低下、集中力の低下、精神的ストレス
姿勢の悪化 猫背、前かがみ、身体の歪み 首や腰の痛み、頭痛、全身のバランス不良
筋力低下・筋萎縮 肩関節周囲の筋肉が痩せ、力が入りにくい 重い物が持てない、腕を繰り返し使う動作が困難
他の関節への影響 反対側の肩、肘、手首、首、腰などに新たな痛みや症状 全身の不調、活動範囲のさらなる制限

6. 五十肩は再発する?再発のリスクと予防策

一度治った五十肩でも、再発する可能性は十分にあります。特に、最初の五十肩が治った後も、反対側の肩に五十肩が発症するケースは少なくありません。また、同じ肩に再び症状が出ることもあります。

6.1 一度治った五十肩が再発する可能性

五十肩は、肩関節周囲炎という炎症が原因で起こる症状であり、適切な治療とリハビリテーションによって多くの場合、痛みや可動域の制限は改善します。しかし、一度症状が改善したからといって、それで終わりではありません。

五十肩が再発する主な要因としては、以下のような点が挙げられます。

  • 治療の不徹底やリハビリの中断:症状が軽くなった段階で治療やリハビリをやめてしまうと、関節の柔軟性や筋力が十分に回復せず、再び炎症が起きやすい状態になることがあります。
  • 生活習慣の乱れ:姿勢の悪さ、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、特定の動作の繰り返しなど、肩に負担をかける生活習慣が続くと、再発のリスクが高まります。
  • 加齢による組織の脆弱化:年齢を重ねると、肩関節周囲の腱や靭帯、関節包といった組織が徐々に劣化し、炎症を起こしやすくなります。これは、一度治っても、根本的な組織の脆弱性が残るためです。
  • 冷えや血行不良:肩周りが冷えることで血行が悪くなり、筋肉が硬直しやすくなると、再び痛みが誘発されることがあります。
  • 反対側の肩への影響:片方の肩に五十肩を発症すると、無意識のうちに健康な側の肩に負担をかけてしまうことがあります。これにより、反対側の肩にも同様の症状が出ることがあります。

これらの要因が複合的に絡み合い、五十肩の再発につながることがあります。そのため、症状が改善した後も、継続的な注意とケアが不可欠です。

6.2 再発を防ぐための生活習慣とケア

五十肩の再発を防ぐためには、症状が改善した後も継続的なケアと生活習慣の見直しが不可欠です。以下に、再発予防のための具体的なポイントを挙げます。

予防策 具体的な内容
適度な運動とストレッチ 肩関節の柔軟性を保ち、血行を促進することが重要です。医師や理学療法士の指導のもと、無理のない範囲で肩や肩甲骨周りのストレッチ、軽い筋力トレーニングを継続しましょう。特に、朝晩の習慣にすると効果的です。
姿勢の改善 猫背や巻き肩は肩関節に負担をかける原因となります。日常生活での正しい姿勢を意識し、特に座り仕事が多い場合は、定期的に休憩を取り、姿勢をリセットする習慣をつけましょう。
身体の冷え対策 肩周りを冷やさないように注意し、特に就寝時や寒い場所では保温を心がけましょう。温かいシャワーや入浴で肩を温めることも、血行促進に役立ちます。
バランスの取れた食事と十分な睡眠 全身の健康を維持することは、肩の組織の回復力や抵抗力を高める上で重要です。栄養バランスの取れた食事と質の良い十分な睡眠を心がけましょう。
ストレス管理 精神的なストレスは、筋肉の緊張を高め、痛みを悪化させることがあります。趣味やリラックスできる時間を作り、ストレスを適切に管理することも大切です。
適切な休息と負担の軽減 肩に過度な負担をかけないよう、重い物の持ち運びや無理な体勢での作業は避けましょう。痛みや違和感を感じたら、無理せず休息を取ることが重要です。
再発の兆候への早期対応 少しでも違和感や痛みの再燃を感じたら、迷わず専門医に相談することが、再発を最小限に抑える鍵となります。早期発見・早期治療が、症状の悪化を防ぎます。

これらの予防策を日常生活に取り入れることで、五十肩の再発リスクを大幅に減らし、健康な肩を維持することができます。

7. 五十肩の症状を悪化させないために今すぐできること

五十肩の痛みや不便さは、日常生活に大きな影響を及ぼします。しかし、適切な対処と継続的なケアを行うことで、症状の悪化を防ぎ、早期回復を目指すことが可能です。「腕が上がらなくなる」という最悪の事態を避けるためにも、今すぐできる具体的な行動を知り、実践に移しましょう。

7.1 専門医への早期受診が重要な理由

五十肩の症状を感じたら、できるだけ早く整形外科などの専門医を受診することが何よりも重要です。自己判断で放置すると、症状が進行し、治療が困難になるケースが少なくありません。

  • 正確な診断:五十肩と似た症状を示す他の疾患(腱板損傷、石灰沈着性腱板炎など)を除外するためにも、専門医による正確な診断が必要です。これにより、適切な治療法を選択できます。
  • 早期治療の開始:症状が軽いうちに治療を開始することで、痛みの慢性化や可動域制限の悪化を防ぎ、回復を早めることができます。
  • 進行の抑制:早期に適切な治療やリハビリテーションを始めることで、「凍結肩」と呼ばれる重度の拘縮状態への進行を食い止める可能性が高まります。
  • 専門的なアドバイス:個々の症状や生活習慣に合わせた治療計画やセルフケアのアドバイスを受けることができます。

7.2 五十肩の治療法とリハビリテーション

五十肩の治療は、痛みの程度や進行段階によって異なりますが、多くの場合、保存療法が中心となります。症状に応じて、薬物療法や理学療法、そして必要に応じて手術療法が検討されます。

7.2.1 保存療法と薬物療法

保存療法は、手術以外の方法で症状の改善を目指す治療法です。特に、痛みの強い急性期には、炎症を抑え、痛みを和らげることが治療の中心となります。

  • 薬物療法:
    • 内服薬:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や筋弛緩薬などが処方され、痛みや炎症を抑えます。
    • 外用薬:湿布や塗り薬などを使用し、局所の炎症や痛みを和らげます。
    • 注射療法:痛みが強い場合や炎症がひどい場合には、関節内注射(ステロイドやヒアルロン酸など)が行われることがあります。これにより、炎症を直接抑えたり、関節の動きを滑らかにしたりする効果が期待できます。
  • 安静:痛みが強い時期は、無理に動かさず、安静にすることが重要です。ただし、完全に動かさないと関節が固まる恐れがあるため、医師や理学療法士の指示に従い、適切な範囲で動かすことが大切です。

7.2.2 理学療法とストレッチ

五十肩の治療において、理学療法とストレッチは非常に重要な役割を担います。痛みが落ち着いてきた慢性期には、肩の可動域を回復させ、筋力を強化することが主な目的となります。

  • 理学療法:
    • 温熱療法・電気療法:血行を促進し、筋肉の緊張を和らげることで、痛みの緩和や関節の動きを改善します。
    • 徒手療法:理学療法士が直接、関節の動きを改善したり、筋肉の緊張をほぐしたりします。
    • 運動療法:肩関節の可動域を広げるための運動や、肩周辺の筋力を強化する運動を指導します。
  • ストレッチ:
    • 肩の可動域を広げる:痛みのない範囲で、肩を様々な方向に動かすストレッチを行います。例えば、振り子運動や壁を使った腕上げ運動などがあります。
    • 筋肉の柔軟性を高める:肩甲骨周りや胸の筋肉など、肩関節の動きに関わる筋肉のストレッチも重要です。
    • 注意点:ストレッチは、痛みを我慢して無理に行うと逆効果になることがあります。必ず専門家の指導のもと、痛みのない範囲で、ゆっくりと継続することが大切です。

7.2.3 手術療法が必要なケース

ほとんどの五十肩は保存療法で改善しますが、ごく一部のケースでは手術が検討されることがあります。手術は、保存療法を数ヶ月以上続けても症状が改善しない場合や、関節の拘縮が非常に重度で日常生活に著しい支障が出ている場合に検討される最終手段です。

  • 手術の目的:関節包の癒着を剥がしたり、炎症を起こしている組織を取り除いたりすることで、肩の可動域を改善し、痛みを軽減することを目指します。
  • 術後のリハビリテーション:手術後も、肩の機能回復のためには、継続的なリハビリテーションが不可欠です。

7.3 自宅でできるセルフケアと注意点

専門的な治療と並行して、自宅でのセルフケアも五十肩の症状改善には欠かせません。日々の生活の中で意識的に行うことで、症状の悪化を防ぎ、回復をサポートすることができます。

7.3.1 温める 冷やすの使い分け

肩の痛みに対して、温めるか冷やすかは、症状の段階によって使い分ける必要があります。

症状の段階 対処法 目的 具体的な方法
急性期(痛みが強く、熱感がある時期) 冷やす(アイシング) 炎症を抑え、痛みを軽減する 氷のうや冷却パックをタオルで包み、15~20分程度患部に当てる。
慢性期(痛みが落ち着き、肩の動きが悪い時期) 温める(温熱療法) 血行を促進し、筋肉の緊張を和らげ、関節の柔軟性を高める 蒸しタオル、温湿布、入浴、シャワーなどで患部を温める。

どちらの場合も、皮膚に直接当てたり、長時間当て続けたりしないよう注意し、感覚が麻痺するほど冷やしたり、熱すぎる温度で火傷したりしないように気をつけましょう。

7.3.2 痛みに合わせた運動と安静

五十肩のセルフケアでは、「安静」と「運動」のバランスが重要です。痛みが強い時期は無理な運動を避け、痛みが和らいでから徐々に可動域を広げる運動を取り入れましょう。

  • 痛みが強い時期:無理に動かさず、安静を保ちます。ただし、完全に固定してしまうと関節が固まるため、痛みのない範囲で軽く動かす程度に留めます。
  • 痛みが落ち着いてきた時期:医師や理学療法士に指導されたストレッチや体操を、痛みのない範囲でゆっくりと行います。例えば、振り子運動(力を抜いて腕をぶらぶらと揺らす運動)は、初期のリハビリとして有効です。無理に可動域を広げようとせず、少しずつ範囲を広げていく意識が大切です。
  • 継続すること:一度にたくさん行うよりも、毎日少しずつでも継続することが、症状改善への近道です。

7.3.3 日常生活での姿勢と動作の工夫

日々の生活の中でのちょっとした工夫が、肩への負担を減らし、五十肩の悪化を防ぐことにつながります。

  • 正しい姿勢を意識する:猫背や巻き肩は肩に負担をかけやすい姿勢です。背筋を伸ばし、肩甲骨を意識して正しい姿勢を保つよう心がけましょう。
  • 重いものを持つ際の注意:重いものを持つ際は、肩だけでなく、体全体を使って持ち上げるようにします。特に、痛む側の腕だけで持ち上げないように注意しましょう。
  • 寝るときの姿勢:痛む側の肩を下にして寝ると、圧迫されて痛みが悪化することがあります。仰向けや、痛まない側の肩を下にして寝るように工夫し、抱き枕などを利用して肩の負担を軽減するのも有効です。
  • 腕を上げるときの工夫:頭上の物を取る際など、腕を高く上げる必要がある場合は、無理に腕だけで上げようとせず、踏み台を使ったり、体全体を使って届くようにしたりする工夫が必要です。
  • 同じ動作の繰り返しを避ける:長時間のパソコン作業や、腕を使い続ける家事などは、適度な休憩を挟み、肩を休ませる時間を作りましょう。

8. まとめ

五十肩を「放っておく」ことは、痛みの慢性化や関節の可動域制限を悪化させ、最終的には腕が上がらなくなる「凍結肩」へと進行する深刻なリスクを伴います。一度症状が治まっても再発する可能性があり、適切な処置を怠ると後遺症として慢性的な痛みや機能障害が残ることも少なくありません。これらのリスクを回避し、健やかな日常を取り戻すためには、症状を感じた時点で決して自己判断せず、速やかに整形外科などの専門医を受診することが最も重要です。早期の診断と、専門家による適切な治療・リハビリテーション、そして継続的なセルフケアによって、五十肩の進行を防ぎ、再発や後遺症のリスクを最小限に抑えましょう。

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